令和8年(2026年)第1回中野区議会定例会区長施政方針説明(2026年2月9日)

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更新日:2026年2月9日

施政方針説明を行う酒井区長(施政方針説明を行う酒井区長)

1 はじめに

 令和8年第1回中野区議会定例会の開会にあたり、本年の区政運営に臨む、私の所信と予算の概要を申し上げ、議員各位、並びに区民の皆様にご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 今年は、基本構想で描く2030年のまちの姿「つながる はじまる なかの」の実現に向け、2026年度からの5年間に、区が取り組む基本的な方向性を示す新たな基本計画を策定します。この新しい基本計画に基づき「つながる はじまる なかの」の実現に向けた取組を着実に推進してまいります。

2 区を取り巻く様々な情勢を捉える

 本年1月3日の早朝にアメリカがベネズエラに対して大規模な武力介入を行い、マドゥロ大統領夫妻を拘束しました。いかなる理由があったとしても、武力攻撃は許されるべきではありません。また、ロシアによるウクライナ侵攻は未だに続いており、停戦に向けた様々な動きはあるものの、未だ和平には至っておりません。中野区は「憲法擁護・非核都市の宣言」を行い、「中野区における平和行政の基本に関する条例」を制定し、平和に向けた取組を進めてきました。今後も、改めて平和への意思を発信していかなければならないと考えています。
 我が国の経済は、緩やかな回復基調を維持しており、賃金は人手不足を背景に高い伸び率が維持され、個人消費は緩やかに回復すると予測されています。昨年10月の最低賃金改定により、東京都の最低賃金は1、226円となり、5.4%の伸びとなりました。一方、昨年12月の東京都区部の生鮮食品を除く消費者物価指数は、前年同月比で2.3%の上昇となっています。昨年1年間の平均で見ると、前年比2.7%の上昇でした。こうしたことから、実質賃金は、昨年12月まで12か月連続でマイナスが続いており、賃金の伸びが物価上昇に追い付かない状況が長期的に継続しています。建築コストも高騰していることから、区民生活に与える影響だけでなく、中小企業を始めとする事業者の負担も大きいものと認識しています。先月の臨時会で可決していただいた補正予算による給付金のほか、令和8年度予算の中では、プレミアム付きナカペイの発行や、区立小中学校の教材費・修学旅行費用等の補助、私立幼稚園等保護者補助金の拡充、生活保護世帯に対するエアコン購入費助成等を盛り込み、物価高騰の状況を十分踏まえた予算編成を行っているところであり、区として必要な対策を講じてまいります。
 また、生命に危険を及ぼすレベルの猛暑が続いています。保育園や健幸プラザのほか、区民活動センターや、すこやか福祉センター、公園やスポーツ施設などにおいても、熱中症対策や猛暑対策に取り組んでまいります。

3 中野駅新北口駅前エリア再整備について

 私は今、中野の未来にとって非常に重要な局面に立っていると感じています。
 見直しに取り組んでいる中野駅新北口駅前エリアの再整備は、中野サンプラザの建て替えや駅前の装いを整えるだけの事業ではありません。多様な人々が集い、変わらない良さを持ちながら、進化し続けるまち「中野」を未来へとつなぐ核となるものであり、まさに中野駅周辺まちづくりの“ラストピース”であると考えています。
 区民の財産であるこの場所を、区民の皆様の誇りとなり、子どもたちをはじめ、この地を訪れるあらゆる人が100年先まで笑顔で過ごせる空間にすること、それが私の責任です。
(再整備に向けた決意)
 中野駅周辺では、「中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3」などに基づき、駅前広場整備や区画整理が着実に進んでいます。
 5月には囲町東地区の商業施設が開業し、12月には中野駅西改札、橋上駅舎、駅南北を結ぶ自由通路と歩行者デッキが新設される予定です。こうした進展により、区民や来街者の皆様は駅周辺の変化を一層実感することになると思います。
 昨年12月に実施したサウンディング型市場調査では、中野駅周辺と新北口駅前エリアが持つ高いポテンシャルを改めて認識いたしました。
 資材価格や労務費の高騰など、社会情勢は大きく変化しており、全国的に市街地再開発事業の見直しが相次いでいますが、その中でも中野駅新北口駅前エリアは、こうした情勢を耐え抜く拠点施設整備が可能であると確信しています。再整備事業計画の見直しにあたっては、1月にお示しした見直しの考え方に基づき、社会状況の変化や「中野らしさ」を踏まえ、中野駅周辺を面的に捉えつつ、中野区全体の施設・機能の配置状況も考慮しながら「深度化」と「充実」を図ります。
 また、各施設・機能について、日常的に親しみが持てるものか、ハレの日利用か、区民・来街者のいずれか、あるいは双方をターゲットとするかを明らかにし、中野らしい発信性の高い整備・誘導を図りたいと考えています。
 その上で、見直しの経緯を踏まえ、社会情勢の変化に柔軟に対応できるよう、事業手法や用途などを最適化できる「可変性」や、土地利用・施設の更新などの「拡張性」を盛り込んだ計画とすることで、民間事業者のアイデアやノウハウを引き出すことを担保します。
 中野駅新北口駅前エリアは、障害のある方をはじめ、すべての人が安心して快適に楽しめる空間にしていきます。私は「子どもにとってやさしいまちは、誰にとってもやさしいまち」だと考えています。「子どもにやさしいまち」、それは「誰にでもやさしい普遍的デザイン」という視点を、拠点施設整備・誘導の基本方針として取り入れ、同方針の強化を図ります。
 以上により、未来へ責任を果たせる再整備を進めてまいります。
(サンプラザが残した価値の継承、アップデート)
 中野サンプラザが育んできた文化や記憶は、継承すべき価値であると考えています。私は、日常的に区民が親しむ場であったこと、コンサートなど“ハレの日”の舞台であり、区民が誇りに思い、かつそれを語れる存在であったこと、ポピュラー音楽公演や「アイドルの聖地」と呼ばれるなど、若者文化を発信してきた象徴であったこと―こうした価値を、再整備により“次の形”として発展させてまいります。
 再整備事業計画の改定においては、以上を踏まえるとともに、幅広く考えていきますが、拠点施設の整備・誘導については、特に次の5点に関して検討を重ねていきたいと考えています。
 第一に、質・量ともに高い水準の緑と広場空間を実現するとともに、環境と心にやさしく、かつデザイン性が高い際立ったものにすることについて。
 第二に、回遊性を生み出す快適な歩行者ネットワークを構築するとともに、緑や広場空間と連携させ、快適性と、にぎわいを創出することについて。
 第三に、ポピュラー音楽を中心としたホール機能の充実とアニメ・コンテンツなど中野らしい文化芸術の発信性の向上について、また、観客・利用者と出演者・主催者双方にとって満足度の高いステージや客席、フラットな空間などの設備のクオリティについて。
 第四に、住宅は規模や割合の程度について、オフィスは規模やアニメ・コンテンツ企業の集積について、また商業施設は周辺の状況などを踏まえた種類や店舗について。
 第五に、子どもたちが安心して遊べる空間や機能について、バンケットのホテル機能とあわせた整備について。
 様々な検討と議論を尽くし、再整備による効果の最大化を図ってまいります。
(再整備事業計画の事業化に向けて)
 従前は区有地等資産の一部を権利変換し、一部で転出補償を受ける想定でしたが、新区役所整備費用等を区の一般財源で対応することとし、市街地再開発事業に加え、定期借地権の活用も検討していきます。
 また、市街地再開発事業の見直しに至った経緯を踏まえつつ、その他の事業手法による検討についても並行して進める一方、中野らしい魅力が溢れる再整備となるよう努めてまいります。
 さらに、先行する基盤施設整備の進捗を踏まえ、見直しによって必要となる手続・協議期間や施工者の受注可能時期を考慮し、想定プロセス・スケジュールを明らかにするとともに、再整備により期待される効果を可能な限り、定量的、定性的に示すよう努めることにより、拠点施設整備・誘導の検討を深め、また議会・区民の皆様のご理解とご協力を得ていきたいと考えております。
(“中野モデル” となる再整備)
 再整備事業計画の見直しにあたり、区民・団体・事業者の皆様から様々な機会や媒体を通じてご意見を伺いました。その中で、これまで様々な議論や手続を経て策定した上位計画に基づき中野駅周辺の各事業が進んでいること、その一環として区役所・サンプラザ地区を一体整備すること、こうした前提からサンプラザの修繕等は行っていなかったことなどを区が十分にお伝えできていなかったことが明らかとなりました。また、再整備により期待できる効果や、今後、中野駅周辺がどのように変わっていくかについても、「よく分からない」という声を多くいただいており、反省しているところです。
 今後は、区の考えや検討状況、整備の進捗・予定などについて、議会・区民の皆様へ適時に分かりやすく情報提供するよう工夫してまいります。その上で、議会・区民の皆様と丁寧な対話を重ねながら、再整備事業計画をアップグレードし、当エリアにおいて、新しい時代の“中野モデル”と呼ばれるような、再整備を進めていく決意です。
(22世紀を見据えて)
 私たちが見据えるべきは「今」ではなく、「2100年」の中野駅新北口駅前エリアです。中野の可能性は、まだまだ広がっています。中野駅前という“まちの顔”を、将来世代に亘り、「やすらぎと刺激のある空間」「誰にとっても居心地がよく、歩きたくなる、何度でも訪れたくなる空間」を、ともに築いてまいりましょう。

4 2期8年の区政運営を振り返って

私が、中野区長に就任した2期8年を振り返り、これまでの主な取組と、その成果を申し上げます。
(1)子育て先進区について
 子どもと子育て家庭に対するセーフティネットの強化として、令和4年に「中野区子どもの権利に関する条例」を制定し、区政運営や学校教育において、子どもの意見表明と参加の取組を推進するとともに、児童相談所の運営強化と社会的養育の推進、子ども相談室の開設などの取組により、子どもを守り、尊重する仕組みや体制を構築しました。
 子どもの貧困対策としては、学習支援事業の対象学年の拡充や、子どもの体験機会の充実、子ども食堂を通じた食の支援の充実を行ったほか、ひとり親家庭への支援策を拡充しました。
 このほか、ベビーシッター利用助成事業の実施や、病児保育事業と子どもショートステイ事業の実施施設の新規誘致、産後ケア事業の充実など、子育てサービスを拡充しました。
 子育て・子育ち環境の整備として、中高生の活動・交流機会について、ハイティーン会議の魅力の向上を図るとともに、活動の結果を区政へ反映できる仕組みを構築しました。
 また、学童クラブの整備を進めることにより、待機児童の解消を実現したほか、キッズ・プラザの整備や、学校図書館の開放時間を拡大するなど、子どもたちの放課後の居場所を拡充しました。さらに、常設プレーパークを設置したほか、児童館の機能強化と施設改修を進めました。
 このほか、不登校対策の拡充や、学校給食費の無償化、図書館の蔵書の充実を行ったほか、区立小中学校の児童・生徒が主体的に学校予算の使い道を決定する取組など、教育環境の整備を進めました。
 地域全体で子育てを応援するための体制の整備として、子育て支援団体や青少年育成地区委員会との連携や助成による支援を推進したほか、若者会議を設置し、若者の区政参加の仕組みを新設しました。
(2)地域包括ケアについて
 区民の多様な課題を受け止め解決につなげる体制づくりとして、重層的支援体制の整備や、コミュニティソーシャルワーカーの導入によるアウトリーチチームの機能強化を進めるとともに、地域包括ケア推進パートナーシップ協定制度を創設し、官民連携の取組を推進したほか、ひきこもりや、ヤングケアラー等の支援、孤独・孤立対策など、新たな課題への対応に取り組みました。
 社会とのつながりの中で一人ひとりに寄り添った支援として、成年後見制度の利用促進に係る仕組みを構築し、法人後見や市民後見の促進に向けた体制整備を図るとともに、認知症のある方や、その家族等を支援するための地域拠点を開設しました。
 また、高齢者虐待への対応を図るため緊急一時宿泊事業を拡充したほか、児童相談所の設置により児童虐待対策の取組を推進しました。
 障害福祉施策としては、障害者の理解促進に向けた交流事業を充実するとともに、障害者の地域生活移行に向けた支援を拡充し、施設基盤の整備を推進しました。
 さらに、生活困窮者等への相談支援を充実するため、中野くらしサポートの体制を強化しました
 すべての人に居場所があり、見守り支えあう地域づくりとして、町会や自治会の活動への支援を充実したほか、チャレンジ基金助成などにより、新たに公益活動を始める団体への支援も拡充しました。
 また、ためまっぷの運用を開始することによって、地域活動に関する情報を手軽に得られる仕組みをつくり、地域活動に参加しやすい環境を整備しました。
 さらに、障害者スポーツ事業を拡充することによって、障害者の理解促進と社会参加の機会の充実を図りました。
 このほか、令和4年に「中野区人権及び多様性を尊重するまちづくり条例」を制定し、人々が心豊かに安心して暮らし、共に新たな価値を生み出していくことのできるまちの実現を目指して、基本理念を定め、中野区、区民及び事業者の責務を明らかにするとともに、区民一人ひとりが人権及び多様性を尊重し、これを認め合うために必要な施策を総合的に推進してまいりました。令和6年度からの5年間を計画期間とする第2次中野区ユニバーサルデザイン推進計画を策定するとともに、令和7年には中野区区有施設のユニバーサルデザイン導入ガイドラインを策定し、すべての人がそれぞれの意欲や能力に応じて社会参加する「全員参加型社会」や、まちの魅力向上による地域の活性化の実現に向けて、ユニバーサルデザインの推進を図ってまいりました。
(3)活力ある持続可能なまちについて
 地域経済の回復とまちのブランディングによる産業の活性化を図るため、中小企業におけるDXの推進や販路の拡大等に対する支援を実施し、中小企業の経営力の強化を図りました。また、商店街におけるキャッシュレス化やデジタル化への対応を支援するとともに、デジタル地域通貨事業(ナカペイ)を開始し、区内の経済や産業の活性化を図りました。
 中野区文化芸術振興基本方針を策定し、文化芸術振興のための取組の方向性を明らかにするとともに、子ども・若者文化芸術振興基金を創設し、子どもの文化・芸術振興を安定的に推進できる仕組みを構築しました。
 このほか、中野駅周辺のまちづくりの進捗に合わせ、中野サンプラザ南側広場を、楽器演奏やダンス、大道芸などのパフォーマーに開放する「中野サンプラザパフォーマンスフィールド事業」を実施し、中野駅周辺の賑わいづくりにつなげてまいります。
 まちづくりを通じたまちの活力の再生と創出につきましては、民間団体として設立した中野駅周辺エリアマネジメント協議会への支援により、アクションプランを策定するなど取組を推進したほか、中野二丁目地区や囲町東地区、囲町西地区における市街地再開発を着実に進めるとともに、南北自由通路や、北側と南側の広場、歩行者デッキなど、必要な都市基盤施設の整備を進めています。
 このほか、都市計画道路の整備を進めるとともに、沼袋駅周辺のにぎわい創出に向けた支援を実施したほか、新井薬師前駅周辺のにぎわい創出を図る取組の検討を進めました。
 脱炭素社会の実現を見据えたまちづくりにつきましては、脱炭素ロードマップを策定し、2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロとする目標の達成に向けた、まちづくりの方針を示しました。
 また、環境に関する連携・協働に向けてエコフェアを拡大するとともに、省エネや再生可能エネルギーの活用を普及させるための補助制度を拡充しました。
 このほか、区有施設整備方針を策定し、脱炭素社会の実現に向け、高断熱かつ高効率な設備と再生可能エネルギーの導入により区有施設で消費するエネルギーを実質ゼロにする取組を推進しています。
(4)区政運営の基本方針について
 区役所新庁舎の整備が完了し、令和6年5月に開庁しました。新庁舎の整備に当たっては、免震構造による地震対策や浸水対策などにより災害に強い庁舎を実現するとともに、環境負荷低減の取組により、エネルギーの年間消費量を基準から50%以上削減し、都内の自治体の庁舎で初めて「ZEB Ready」の認証を受けました。また、新庁舎1階には、多彩な区民活動の機能を配置し、にぎわいや憩いの場を創出しました。窓口サービスでは、「なかのスマート窓口」により来庁者の利便性を高めるとともに、おくやみ窓口と外国人相談窓口を新たに開設しました。
 さらに、よりよい区民サービスを提供するために、新たなICT技術による業務のDX化や、ペーパーレスの推進、多様な打ち合わせスペースの設置など、旧庁舎から執務環境を大きく変更し、職員の新しい働き方を導入することにより、職員の創造性や生産性の向上を図ってまいりました。
 また、地域経済の活性化及び区民の福祉の向上を目的として、令和4年に中野区公契約条例を制定し、公契約の基本方針を定めるとともに、中野区及び受注者の責務を明らかにすること等により、公契約における適正な労働条件の確保や、公契約の適正な履行と品質の確保を図ってまいりました。
 このほか、新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、令和6年に中野区感染症予防計画を策定し、区民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある感染症の発生及びまん延に備えた区の感染症対策を進めるとともに、各種予防接種費用の助成により感染症予防の取組を推進しました。
 また、災害対策用備蓄物資を拡充し、避難所の環境改善を図るなど、大規模災害の発生時における対応を強化してまいりました。

5 基本構想に描く、目指すまちの姿を実現するために

 「つながる はじまる なかの」の理念を実現するため、新たに策定する基本計画のもと、区政運営を着実に推進していく必要があります。中野区に住む全ての人や、このまちで働き、学び、活動する人々にとって、より豊かな暮らしを実現するため、職員一人ひとりが区民ニーズを的確に捉え、社会情勢の変化に対応し、区民生活に基軸をおいたサービスを展開させていかなければなりません。基本構想で描くまちの姿の実現に向けて、新たな基本計画に定める取組を着実に進めてまいります。
(1)子育て先進区の実現に向けて
 子どもを育て、子どもが成長する過程が、安全・安心で、将来に向け充実した時間となるように、地域の多様なつながりをつくっていくことで、子どもと子育て家庭が中野区に住み続けたくなる環境づくりを進めてまいります。
 まず、第一に、子どもの健やかな成長を支えるとともに、子育てに関する不安を解消するために、子どもと子育て家庭が必要とする相談や支援、サービスを充実します。
 具体的な取組としては、子どもの権利を守るための「子ども相談室」の安定的な運営の維持と相談者の利便性の向上のために「子ども相談室」を区役所本庁舎へ移転するとともに、ひとり親家庭の相談業務を円滑に行うために専門員を増員し、日曜や平日夜間の相談を開始します。
 生活に困難を抱える子育て世帯への支援として、学校給食のない長期休業中に食品を配付する事業を新たに実施するとともに、生活に困難を抱える世帯の児童・生徒を対象に実施している学習支援事業の対象学年を高校生年代まで拡大します。
 いじめの早期発見と未然防止を図るため、SNS相談の利用対象者を小学校5・6年生に拡充するとともに、小学校低学年向けのいじめ防止対策アニメを制作します。
 区立小中学校に通う児童・生徒の保護者の経済的負担を軽減するため、教材費や修学旅行費等の費用の補助を行います。
 出産後間もない時期の産婦・乳幼児に対する新たな健康診査の実施により、疾病等の早期発見や産後うつの予防等を図るとともに、5歳児健康診査の実施により、子どもの特性を早期に発見し、適切な支援を行うほか、ベビーシッター利用料の助成や家事育児支援事業の対象や利用上限時間の拡充、多胎児家庭の産後ケア事業の利用上限回数の増加、電子母子健康手帳アプリの導入などにより、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を充実します。
 就労要件を問わず月一定時間まで保育所・幼稚園等を利用できる乳児等通園支援事業を実施することにより、全てのこどもの育ちを応援するとともに、全ての子育て家庭に対して多様な働き方やライフスタイルに対応した支援を強化します。
 保育の質の向上を図るため、専門家を活用した不適切保育等防止のための取組や、区立保育園全園で第三者評価を実施するとともに、保育所等の施設長の業務負担を軽減するための事務職員の配置に要する経費を支援します。
 認証保育所等保護者補助金における待機児童要件の撤廃や、私立幼稚園等保護者補助の拡充により、保護者の負担の軽減を図るとともに、私立幼稚園等教育環境整備補助金の拡充により私立幼稚園等の安定した運営を支援します。
 医療的ケアが必要な子どもの受け入れが可能な区立保育園を増やすために施設改修を行うほか、医療的ケアが必要な子どもとその家族への相談支援体制を強化するとともに、重症心身障害児(者)等在宅レスパイト・就労等支援事業の年間利用上限の引き上げや、実施場所の拡充を行い、重症心身障害児(者)等の健康の保持と介護する家族等の負担軽減及び就労の支援を促進します。
 次に、子ども一人ひとりがそれぞれの個性に応じて力を伸ばし、活躍できる機会を充実します。
 具体的な取組としては、子どもが様々な場面で意見を表明できるよう「(仮称)国連を支える世界こども未来会議」のワークショップを中野区で開催し、子どもがまちの未来について考え、発表するチャレンジの機会を創出します。
 また、教育の充実に向けて、ALTを活用した英語教育の拡充や、日本語指導が必要な児童生徒への支援の充実を行うほか、学校部活動の地域クラブ活動への移行を図るため、地域クラブ活動を民間事業者へ業務委託し、指導者を確保します。
 子どもや若者のチャレンジを支援するため、経済的理由により高等教育への進学又は修学が困難な、学びの意欲のある子どもや若者へ奨学資金を給付するとともに、若者施策への活用を目的とする若者実態調査を実施します。
 次に、子どものライフステージに合わせた魅力的で行きたくなる場を充実します。
 具体的な取組としては、子ども相談室移転後の教育センター分室の一部を活用し、中高生年代が様々な活動ができる居場所事業を実施するとともに、移動型プレーパークの導入や地域のプレーパーク団体への補助によりプレーパーク活動を拡充するほか、学校における早朝見守り事業や学校休業日における区立学童クラブの預かり時間の延長、桃園第二小学校代替校舎を活用した放課後居場所事業、子どもの意見を反映した児童館の環境整備等により、子どもたちの居場所の充実を進めます。また、(仮称)キッズ・プラザ中野本郷の開設準備や(仮称)キッズ・プラザ上鷺宮の整備を進めてまいります。
(2)地域包括ケア体制の実現に向けて
 だれもが健康で生きがいを持ち、安全・安心で豊かな生活を送ることができる地域社会をつくるというスマートウェルネスシティの理念を踏まえ、それぞれの人が必要とするつながりをつくり、健康度と幸福度を高めるための取組を進めてまいります。
 まず、ヘルスリテラシーの向上を図るため、健康無関心層の健康への関心を高め、行動変容を促すとともに、その人にあった健康づくりの取組を支援します。
 具体的な取組としては、高齢者会館を健幸プラザにリニューアルし、利用促進を図るとともに、健康づくりや交流機会を充実します。
 また、コミュニティポイントを活用して、区民健診などへの参加を促し、健康状態の把握や疾病の早期発見・早期治療等を促進するとともに、受動喫煙防止対策により、受動喫煙による健康への悪影響を未然に防止し、区民の健康増進を図ります。
 次に、人々が自律的かつ主体的に健康づくりに取り組み、社会的なつながりを広げていく動機付けにつながるまちづくりを進めます。
 具体的な取組としては、新井薬師前駅周辺や沼袋駅周辺のまちづくりを通じて、歩いて楽しい商店街の形成など、にぎわいと魅力あふれるまちづくりを進めるとともに、誰もが歩きたくなる魅力的なまちの実現に向けて、公有地と民有地等の一体的な活用を検討し、快適で居心地のよい都市空間の形成を図ってまいります。
 また、中野区の個性となる魅力ある街並みとして、水やみどり等の自然を含め、賑わい・憩い・安らぎを感じることができる都市空間の実現を図るため、中野区らしい景観まちづくりの推進や、みどりのネットワークの構築等、歩きたくなるまちづくりを進めます。
 このほか、既存の公園の再整備や公園の施設・遊具等の改修を適切に行い、ユニバーサルデザインに対応した施設に更新します。
 次に、区民や地域団体が行う様々な活動において、人々が交流することで生まれるゆるやかなつながりづくりを進めます。
 具体的な取組としては、デジタル技術を活用した高齢者等の見守りの仕組みを構築するため、産学官連携による共同研究を実施するとともに、区民活動センターにおける新たな情報発信の手段として、デジタルサイネージを試験的に導入することにより、地域情報を効果的に発信します。次に、様々な状況から支援の必要な人が支援を求められる環境を整備し、切れ目ない相談支援につなげます。
 具体的な取組としては、男女共同参画に関する専門的知見や経験を有する事業者・団体に事業の企画・運営を委託することにより、男女共同参画に関する普及啓発事業の充実を図ります。
 また、北部すこやか福祉センターの移転に向けて用地の取得等を行うとともに、9か所目の地域包括支援センターの開設に向けて相談支援業務の移行や窓口整備などの準備を行います。
 アピアランスケア費用助成の対象者や対象品目、補助上限を拡充するとともに、アピアランスケアの相談支援や普及啓発を行います。
 重度障害者の地域生活を支援するため、江古田三丁目重度障害者グループホーム等整備事業の工事に着手するほか、手話を使用する全ての人に対する社会的障壁がない地域社会の実現を目指して、手話が言語であることに対する理解を促進するために、手話を使ったイベントの開催や手話をテーマとした映画の上映などの事業を実施します。
 さらに、認知症の早期発見のため、もの忘れ検診の受診勧奨を強化するとともに、検診後、認知症の予防や進行防止等を促すフォロー講座を充実します。 
(3)活力ある持続可能なまちの実現に向けて
 まちが大きく変化していく中においても、環境に配慮したみどり豊かなまちづくりを進めるとともに、現在のにぎわいを将来につないでいくために、文化やアニメ・コンテンツをはじめとするまちの魅力を高め、産業や地域の活力となるチャレンジを応援します。
 まず、第一に、中野が誇るまちの魅力を高め、発信します。
 具体的な取組としては、12月に予定されている中野駅西側南北通路・橋上駅舎の開設に合わせて、新北口駅前広場の整備工事を進めるほか、中野駅周辺で実施されている土地区画整理事業や市街地再開発事業に係る事業費の一部を補助し、中野駅周辺の利便性や回遊性の向上を図ります。また、中野サンプラザ南側広場を文化・芸術活動の促進に活用するため、中野サンプラザパフォーマンスフィールドの設備を整備します。
 次に、地域経済の活性化と地域の様々な活動を促進する仕組みづくりを進めます。
 具体的な取組としては、ナカペイのアプリの改修により安全性と使いやすさの向上を図るとともに、プレミアム付きナカペイの発行とコミュニティポイントや(仮称)環境行動ポイントの付与を通じて、区内経済・産業の活性化と区民の行動変容の促進を図ります。
 また、産業振興センターを中小企業支援の拠点とするため、施設改修の設計と整備工事を実施するとともに、コーディネーターが適切な支援機関等と連携して中小企業の経営課題の解決を図る伴走型中小企業経営支援体制を構築します。このほか、高校生以下を対象としてトレーラーハウスを活用した販売実習を行うなど、創業教育を拡充し、区内産業の活性化を図ります。
 次に、歩きたくなるまちづくりを進めるとともに、人の流れを商店街につなげます。
 具体的な取組としては、「歩きたくなるまちづくり整備方針」を策定し、中野区役所周辺をモデル地区とした社会実験を実施するとともに、公有地と民有地におけるベンチの設置を促進し、区民や来街者が気軽に歩きたくなるまちづくりを推進します。
 また、西武新宿線の連続立体交差化により創出される鉄道上部空間の活用について、基本方針の策定に向けた検討を進めるほか、連続立体交差事業に連動した都市計画道路の整備や防災まちづくりを推進します。
 このほか、新井薬師前駅、沼袋駅、東中野駅周辺地区では、再開発事業等による土地の高度利用や都市機能の更新を図り、地域との連携・協働によるにぎわいと魅力あふれるまちづくりの検討を進めます。
 次に、魅力ある文化・芸術活動を促進するとともに、アニメ・コンテンツを核とした産学官連携による様々な取組を推進します。
 具体的な取組としては、子どもたちの学外活動として、区内のアニメ関連企業と連携し、アニメの企画や制作を体験できる事業を通じて、アニメを区の地域資源として活用した子どもたちの体験機会の拡充を図ります。
 次に、環境に配慮したみどり豊かなまちづくりを進めます。中野駅周辺のまちづくりを進めていく中においても、みどりの保全や創出に努めるとともに、道路の緑化・保全に関する方針等を策定し、街路樹の適正な管理を推進すること等により、みどりのネットワークの構築を進めます。
(4)持続可能な区政運営に向けて
 基本計画に定めた取組を着実に推進していくためには、持続可能な区政運営の実現が不可欠です。基本計画において、区政運営の基本方針として定める「対話・参加・協働に基づく区政運営」、「危機の発生に備えた体制の強化」、「社会の変化に対応した質の高い行政サービスの提供」に基づいて、持続可能な区政運営の確立に向けた取組を進めてまいります。
 今後の具体的な取組としては、区役所本庁舎の代表電話を平日夜間と日曜日にも受け付け、簡易で定型的な問い合わせにはオペレーターが回答する仕組みを導入するとともに、応対結果を活用した区ホームページの充実や、生成AIを活用した区ホームページの検索エンジンの導入により、区民の利便性の向上を図ります。
 また、区有施設の老朽化が進む中、必要な改修工事を計画的に実施し、適切な保全を推進するため、中野区区有施設保全計画の策定に向けた検討を進めます。

6 基本構想を実現するための人材マネジメント

 基本構想で描く、目指すまちの姿「つながる はじまる なかの」を実現するためには、職員一人ひとりの成長と活躍が不可欠であり、職員の確保・育成・定着の視点で人材マネジメントを一体的かつ総合的に推進していくため、中野区人材育成総合プランを2月に策定します。区が就職先・勤務先として選ばれるように、「働きたい・働き続けたい」職場を目指し、職員一人ひとりの成長と活躍を応援する取組を戦略的に推進してまいります。
 健康経営とハラスメント対策は「働きたい・働き続けたい」職場を実現するための基盤であり、最も重要な取組です。区では、令和6年11月に「中野区職場におけるハラスメントの防止に関する基本方針」を改定し、昨年4月に全ての特別職及び管理職が「ハラスメントZERO」宣言を行いました。また、来年度から健康経営を本格実施していくこととしており、昨年12月にキックオフ講演会を開催しました。職員一人ひとりが心身の健康を保ち、ハラスメントを生まない職場環境を整備し、心理的安全性が高く、風通しの良い安心して働ける職場を作ってまいります。
 基本構想で描くまちの姿の実現のためには、地域で活動する区民や団体、事業者等との連携・協働は欠かすことができません。職員が地域や現場に積極的に飛び出して、地域の実態把握や人的ネットワークの獲得などを行い、それを各施策の推進に生かすことが重要となります。研修の拡充や区のガイドラインに基づく兼業の推進、職場のマネジメントの強化などの環境整備を行い、地域との協働・連携を推進してまいります。
 育児や介護等により時間に制約がある職員が増加する一方で、複雑・高度化する行政課題に限られた経営資源で対応していく必要があることから、仕事と生活の調和「ワーク・ライフ・バランス」を推進していくことが重要になります。時差勤務やテレワークの推進など柔軟な働き方が可能となる環境整備を進めていくとともに、区役所移転を契機としたデジタルツールの活用やペーパーレスの推進などの職員の新たな働き方を、業務の効率化や職員のコミュニケーションの活発化に十分に結びつけることによって、ワーク・ライフ・バランスを推進してまいります。

7 令和8年度予算案の概要

 本定例会でご審議いただく令和8年度予算案は「子育て環境の充実、健幸でにぎわう、人と人がつながるまち、住み続けたくなる中野」の予算とするため、計画に基づく政策及び施設整備、社会情勢の変化を踏まえた区民生活に寄り添う取組について、限られた財源を優先的に配分し、編成を進めてきました。その結果、一般会計は、2、126億9、400万円で、前年度比9.1%の増となりました。
 4つの特別会計(用地特別会計、国民健康保険事業特別会計、後期高齢者医療特別会計、介護保険特別会計)の合計は、709億7、700万円で、前年度比0.03%の増となりました。
 全会計合わせて2、836億7、100万円で、前年度比6.7%の増となりました。
 予算案の詳しい内容については、提案の際に説明いたします。

8 むすびに

 6月には中野区長選挙を控えています。私は、基本構想に描いた2030年に目指すまちの姿を実現するため、3月に策定する新たな基本計画を、自らの手で着実に実行していきたいという思いに至りました。そして、中野駅新北口駅前エリアの再整備について、中野らしい魅力溢れる再整備の実現に向けて取り組みたいという思いを強く致しました。引き続き、中野区政を担うという重責に、全身全霊を捧げていく所存であり、皆様のご判断を仰ぎたいと存じます。
 以上、区議会並びに区民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げ、施政方針説明といたします。
(注)本文は、口述筆記ではありませんので、表現その他若干の変更があることがあります。

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